デモンドリーム・マンハッタンの悪夢ー403 旬から人類を守るために

 スミスはずっと観察していて、化け物が政府の手に渡るのも危険だが
 それよりも結局のところこの開発したシュン・キルユーという超天才の
 能力がアメリカ政府の手に渡るのが何よりも一番危険な災いだ…と思っている。
 それを防ぐことがスミスがこの事件を解決に手を貸す最大の目的だ。
 スミスは偽善者ではなく、本当に勇気ある善人だ。
 化け物騒動でこれ以上被害者を出さない、そして哀れな兄弟救出、色々絡んでいるが、
 一番恐れているのが旬の力が強大な権力に囚われた場合の地球人類への脅威が
 結局スミスを恐れさせ、この事件を秘密裏に解決すべきだとスミスに思わせた。
 そして子供のシュン・キルユーの人の心の生育こそが、たぶん
 人類を救う唯一の手法だろうと結論した。
 大学院の入学で「人類を半分にするウイルス」論文を提出した少年。
 論文の終わりには半分から滅亡までコントロール可能だとまで書いてあった。
 読み終わってスミスは怒りで血が上り、はらわたが煮えくり返った。
 恐るべき少年だと、許しがたいと思ったが、実際身近に接してみて性格がひねくれているが
 根は素直だと分かってきた。悪ガキではあるが、心底の悪ではない、
 意地っ張りなのも子供らしい可愛さだ。そう分かった。
 なんといってもマッドの治療で見せた自己犠牲。
 助かった時の涙もスミスはちゃんと観察した。
 友人を助けたいと願う姿は人間らしさの表れだ。
 今のスミスはこの事件が旬の人間形成に良い影響を与えているように思えるし、
 この事件のおかげでむしろ地球人類の未来が救われるような気さえしていた。
 だからスミスは自分が誠実であることを旬に見せることが少なからず
 人類の未来を決定するかもしれないという責任を感じていた。

 旬から人類を守るために…。

 

 当の旬はスーツが気に入って再び1mくらい上昇し、倉庫の奥まで飛んで遊んだ。
 横嶋も自分の作品に目を輝かせながら追いかけていく。
「わっほ〜〜〜〜〜〜〜〜。」
 自分の開発した浮遊スーツを着た旬がとっても格好良くて横嶋はアメコミのヒーローを
 自分が作った気分で浮かれた。そんな横嶋のアホ面を見ながら、
 旬が左右に小刻みに空中を移動して見せると、横嶋もそれにあわせて左右に飛び跳ねた。
「やっほ〜〜〜〜〜。」
 その馬鹿っぽさ、横嶋のつられっぷりが面白くなった旬は、悪戯を考え、
 悪意ある笑顔を浮かべながらわざと倉庫の壁に向かってスピードを出して飛び、
 あともうちょっとでぶつかる、という直前に壁に軽くタッチして体重を切り替えて
 反対側に向かうと、全力で走って追いかけていた横嶋は急には止まれず、
 旬の予想通り横嶋は壁に激突した。
 バコッと音を立てて倒れる横嶋を嘲笑う。
「ふっふっふ。」
 しかし、壁に激突した横嶋は顔を強打し、鼻血を流しながらもすぐに立ち上がり、反対側に
 飛んで行った旬を笑顔で追いかけてくる。
「うっひょ〜〜〜〜〜〜〜〜。」
「う、さすがヘンタイだな。」
 頭がいいのか悪いのかさっぱりわからない横嶋の、とりあえずタフさだけは認めた。
「わっほおっほおお〜〜〜〜〜〜。」
 激突をものともせずに鼻血で流血しながら楽しそうに追いかけてくる横嶋。ちょっと怖い。
 旬さえ感心するほどのキモサ…。

 



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